【「活動の記録」 「参考文献など」 「参加者一同」】 < [東京・南方熊楠翻字の会]
南方熊楠翻字の会は、南方熊楠(みなかたくまぐす、1867-1941)の遺した書簡・日記等の自筆(直筆)一次資料のうち未刊行分の判読・翻刻を目的として、1999年に東京と田辺で活動を開始しました。また2001年からは、在京阪の研究者による「熊楠関西」研究会が発足し、南方熊楠日記の翻刻活動に加わっています。
このうち東京・南方熊楠翻字の会は、飯倉照平、小峯和明、萩原博光、原田健一、古谷雅道が世話人となり、南方熊楠資料研究会の参加者を中心とする南方熊楠研究者と、変形菌の研究者及び観察愛好者が参加して、月一回会合を持ってきました。2003年までの4年間は、粘菌(変形菌)採集・研究を中心とする小畔四郎(こあぜしろう、1875-1951)宛南方熊楠書簡(田辺市所蔵)のうち、昭和2年から4年までの発信分に取り組みました。その後、2003年12月からは中村古峡宛南方熊楠書簡(中村家蔵、のち南方熊楠顕彰館へ寄贈)、2004年6月からは土宜法龍宛南方熊楠書簡(旧南方邸所蔵、新出)を順次取り上げました。2002年度以降は、毎月一回、原則として第一または第二土曜日の午後に立教大学文学部の小峯研究室で行われています。
1999年9月28日の第一回以来、2001年11月までに、小畔四郎宛書簡のうち1927年分44通、1928年分63通を読了・翻刻し、その後2003年11月までに、1929年分80通を読了しました。[2004. 6.20 通数訂正:1929年分は、後日発見されたハガキ一枚を含めて80通が南方邸に保存されています。]
この小畔四郎宛熊楠書簡は、過去二度の南方熊楠全集(乾元社1951〜52年、平凡社1971〜75年)では一部のみの収録にとどまっていました。これまでの本会の成果は、1927年分が南方熊楠資料研究会の紀要『熊楠研究』第4号(2002年3月刊)、1928年分が同誌第5号(2003年3月刊)および同誌第6号(2004年3月刊)に掲載され、1929年分書簡も、『熊楠研究』7号(2005年3月刊)および『熊楠研究』8号(2006年3月刊)に掲載されました。
また、2003年12月からは中村古峡(中村蓊 しげる)宛熊楠書簡(20通)に取り組み、2004年6月までに20通を読了しました。これは、『熊楠研究』第5号および同第6号に掲載された南方熊楠宛中村古峡書簡と対をなすものです。
さらに、2004年6月から10月までの間、土宜法龍宛南方熊楠書簡三通を読みました。これらは、南方熊楠資料研究会による旧南方邸資料調査の過程で新たに確認された資料で、『熊楠研究』7号(2005年3月刊行)に掲載されました。
2005年10月に、南方旧蔵『和漢三才図会』への書き入れ「南方熊楠辞」を読みました。これは、『熊楠研究』8号(2006年3月刊)に掲載されました。
2004年11月からは、熊楠の最晩年にあたる昭和16(1941)年の日記に取り組みました。2008年7月までの計41回で、この年12月までを読了しました。
2008年9月からは、昭和4(1929)年の日記を読みました。2012年12月までの47回でほぼ読了し、同月から引き続き昭和5(1930)年の日記へと読み進めました。
昭和5年日記は、2013年1月から2017年1月までの計46回で本文を読了しました。引き続き、昭和5年の巻末附録ページにとりくみ、この部分も2017年10月までで読了しました。
その後、未読だった昭和4年の巻末附録ページへ読み進め、2017年10月から2018年6月までで読了しました。
また、2018年1月からはこれと並行して、昭和15年日記を読みはじめました。2023年3月に読了しました。
備忘のため、これまでの会の活動の記録を作成してみました。
2024年は、月一回土曜(日取りはその都度相談の上確定)午後2時より午後4時まで 研究会を行います。会場は、毎回教室を確保の上、参加者に事前に連絡しています。
【お知らせ】新型コロナウィルスの発生に関連して、2020年4月以降は集会しての研究会を行っていません。6月から、翻字の会は、インターネット会議の形式で継続しています。 (2020年6月21日)
2021年4月からも、当面の間引き続き、集会しての研究会は見送りとすることになりました。 ふたたび集会して研究会が実施出来るようになりましたら、改めて告知を致します。 (2021年3月13日)2021年9月以降、新型コロナ感染症の拡大が落ち着きを見せています。引き続き様子を見ながら、対面での研究会を再開出来ないかの相談を始めています。 (2021年11月14日)
2022年に入ってから、新型コロナ感染症の蔓延状況が急激に悪化したことに鑑みて、対面での研究会開催は残念ながら見送りとなっています。 (2022年4月15日)
なお、次回の研究会は、 2024. 9.14, 10.12, 11. 9 を予定しています。また、対面での開催が可能か、現在調整中です。
2023年3月までで、昭和15年日記を読了しました。昭和15年および16年の巻末ページを、ひきつづき読み進めています(2020年11月から)。
2023年4月からは、南方熊楠と上松蓊(1875-1959)の往復書簡に取り組んでいます。
参考:「上松蓊宛書簡」(南方熊楠顕彰館のウェブページ)
https://www.minakata.org/facility/collections/letterstouematsu/
2014年、旧南方熊楠邸資料の調査に携わる南方熊楠顕彰会協力研究者を中心として、 「南方熊楠研究会」が発足となりました。2014年8月6日から8日まで、正式発足に先立って夏期研究集会を開催し、翌2015年以降毎年8月に、年次例会を田辺市にて行っています。
2019年は、8月3日(土)から5日(月)までの日程で行われました。南方熊楠顕彰会機関誌『熊楠ワークス』54号(2019年10月刊)に、学会報告が掲載されています。
2020年の年次例会は、新型コロナウィルス発生のため、オンラインでの自由論題発表(ポスター発表および口頭発表)のみを実施しました。オンライン口頭発表は8月1日(土)に行われました。南方熊楠顕彰会機関誌『熊楠ワークス』56号(2020年10月刊)に、学会報告が掲載されています。
2021年も、夏期年次例会はオンラインにて開催されました。南方熊楠顕彰会機関誌『熊楠ワークス』58号(2021年10月刊)に、学会報告が掲載されています。
2022年夏期の年次例会は、3年ぶりで対面に復帰しました。 8月5日(金)から7日(日)までの日程で、たなべる(田辺市文化交流センター)を会場として、遠隔対面併用のかたちで実施されました。
南方熊楠顕彰会機関誌『熊楠ワークス』60号(2022年10月刊)に、学会の様子の報告が掲載されました。
2023年夏期の年次例会も、対面遠隔併用の形式で、 8月第一週(4日から6日まで)に開催されました。 南方熊楠顕彰会機関誌『熊楠ワークス』62号(2023年10月刊)に、学会の様子の報告が掲載されました。
2024年夏期の年次例会は、対面遠隔併用の形式で、 8月第一週(2日から4日まで)に開催される予定です。(2024年5月)
南方熊楠研究会にご関心のある方は、南方熊楠顕彰会事務局までお問い合わせ下さい。
NHK 関西による、8月15日朝のニュース報道[公開終了]
南方熊楠顕彰館 * 南方熊楠旧邸とその所蔵資料が一括して田辺市に遺贈されたのを受けて、平成18年に田辺市が開館した施設。
田辺市教育委員会文化振興課 * 南方熊楠旧邸の遺贈を受け、南方邸旧蔵品の所有者として調査・研究の体制を整備している和歌山県田辺市の担当部局。南方熊楠研究所(当初仮称・最終的に、上記の南方熊楠顕彰館となりました)建設事業も同課が担当しています。
南方熊楠資料研究会 * 南方邸所蔵品の調査・目録作成を行っています。
田辺・南方熊楠翻字の会 * 大正年間の小畔宛書簡と熊楠の日記を精読しています。1999年、本会と同時に発足。
熊楠関西 * 2002年より、大正15年および昭和2年の熊楠の日記(未刊行分)の翻刻を進めています。
日本変形菌研究会 * 2004. 4 ウェブが開設されたそうです。
国立科学博物館植物研究部植物第三研究室と、
同室の変形菌コレクション * 南方熊楠と小畔四郎の蒐集した変形菌標本を、それぞれ南方コレクション及び小畔コレクションとして管理しています。
龍谷大学オープン・リサーチ・センター (ORC) 特別展示「南方熊楠の森」(2004/6/7〜8/1) (153KB+185KB の画像あり)
『変態心理』復刻版 全34巻・別冊1 * 中村古峡主宰/日本精神医学会発行の精神病理学雑誌。南方熊楠も寄稿者でした。
『変態心理』と中村古峡 ―大正期への新視角 * 中村古峡と『変態心理』についての基本文献。
中村古峡記念病院 * 中村古峡が昭和四年に創立した病院。
熊楠の文章を読むための基礎文献と、書簡・日記など自筆資料を読むための参考文献などを例示する参考文献案内のページを作ってみました(作成中・きわめて未整理)。ですが、一次資料を読むためには、結局は実際に多くの資料を読んで力をつけていくしかないようで、くずし字辞典などの基本図書は定評のある基本的なものをていねいに参照するしかないという意見が、参加者の間では目下大勢です。
参加ご希望の方は、田村義也(事務連絡担当、mailto: tamura *at* gakushikai.jp *at* を @ マークに置き換えたものが正しいアドレス)までお問い合わせください。ご参考までに、参加者間で申し合わせている「参加の手引き」と、熊楠自筆書簡の見本として『熊楠研究』第4号掲載分から小畔四郎宛ハガキ一葉の写真を以下に掲出します。
南方熊楠翻字の会・東京 「参加の手引き」
(2002. 9.21 試案, 10.12 確認, 2003. 1.18 修正; 2004. 4.10 修正; 2004.6.13 修正; 2007. 1.27 修正; 2009.11.10 修正; 2015. 4.19 修正)
本会は南方熊楠の書簡等自筆原稿の判読・翻字を行っています。
1999年の発足以来、これまで小畔四郎宛熊楠書簡 (1927年〜) 、中村古峡宛熊楠書簡、土宜法龍宛熊楠書簡などを読んできました。
2002年から、南方熊楠資料研究会紀要『熊楠研究』にその成果を発表しています。
2004年11月からは、昭和の南方熊楠日記に取り組んでいます。
現在取り上げている資料には、既存の翻刻が存在しません。これにともない、
- 各参加者は自分の担当箇所について翻字を事前に用意して会合の席上で配布し、
- かつ読み合わせの結果の修正を反映したテキストを、ディジタルデータで作成する
という方針で会を進めたいと思います。
2008年以降、会場提供は小峯和明、事務連絡は田村義也が行っています。会合は月一回土曜日(毎月参加者の都合により調整)、立教大学文学部で行われています。